「アカウント営業」と「ソリューション営業」の違いってなに?
SIerの営業について調べていると、
- アカウント営業
- ソリューション営業
といった言葉を見かけたことはないでしょうか。
これからSIerへの就職・転職を考えている方にとっては、あまり馴染みがなく、何のことかよく分からないですよね。
実際、私も新卒で入社した時に、違いが分かりませんでした
しかし、実際に働いてみると「アカウント営業」と「ソリューション営業」では、求められる役割や身につくスキルが全く異なることがわかりました。
- 新卒から5年間、SIer営業として働く筆者が「アカウント営業」と「ソリューション営業」の違いや身につくスキルについて解説します
アカウント営業
アカウント営業の「アカウント」は「顧客」のことです。
アカウント営業とは、特定の顧客(=ターゲットとなる顧客)との関係性を深め、ニーズを引き出し、提案をする営業スタイルのことです。
アカウント営業の商材(売るもの)は限定されません。アカウントの専属営業として、その顧客のニーズに応えるものを何でも提案します。
製品を売ることもあるし、システムをゼロから開発することもあるよ
アカウント営業の仕事は、担当顧客の中での人脈を広げ・深掘り、自社に優位なリレーションを作ることです。
お客さまと日頃から懇意にしておくことで、下記のような状況を作ります。
- 課題をヒヤリングし提案に繋げる
- システム開発が検討された時に相談をもらえる
また、システム提案時には、顧客組織の中で意思決定を行うキーマンへのアプローチが重要です。
ここぞという時に、キーマンに会いに行ける良好なリレーションを普段から作っておくのも、アカウント営業の重要な役割です。
営業というリソースを「顧客専任」とするため、顧客にある程度のシステム投資規模がないと、ビジネスとして成立しません。
そういう意味では、比較的大きめの企業を対象にすることが多いです。
アカウント営業で身に付くスキルは、下記3つです。
- 広範な業界知識・IT知識
- 中期的な計画力
- スクラッチ開発を中心とした営業力
それぞれのスキルについて、詳しく解説していきます。
アカウント営業は担当顧客と、商材を限定せずに、ありとあらゆる話をする必要があります。
大規模システム開発の相談をもらうこともあれば、業務効率化や人材育成の相談をもらうことも。
顧客の様々な相談(ニーズ)に対応するため、広範な業務知識・IT知識を身につけることが求められます。
知識習得が大変ですが、IT業界の営業パーソンとして押さえておくべき基礎知識として、キャリアの強みとなるでしょう。
一般的に、企業は「中期経営計画」という3ヵ年計画を定め、中期的な目線で施策を実行します。
アカウント営業は、顧客のシステム投資計画などをもとに、売上目標達成のための営業計画を立案し、粘り強く実行していきます。
また、計画立案や実行の過程では、社内外から情報収集をし、アウトプットをします。下記はアウトプットの一例です。
- リレーションマップ
顧客部署・担当者とのリレーションの有無を可視化し、営業先判断のインプットとする - SWOT分析
顧客の投資機会に対して自社の強みの有無を分析し、営業方針策定のインプットとする
インプットをアウトプットにする力は、アカウント営業に限らず必要なスキルだよ
アカウント営業は、顧客ニーズに応じたシステムをゼロから開発することが多いです。これを「スクラッチ開発」と言います。
スクラッチ開発で儲けるためには、シンプルにいうと、顧客の要望を実現できる開発者をどれだけ安く調達し、高い単価で受注できるかにかかっています。
自社・パートナー企業の開発者を高い単価で売り、原価との差額で儲ける「工数ビジネス」です。
SIer独特の商売で、近年では脱工数ビジネスの動きもありますが、SIerに関わる者としては、必ず理解しておくべきビジネスモデルです。
ソリューション営業
ソリューション営業の「ソリューション」は、問題に対する「解決策」のことです。
ソリューション営業とは、顧客が抱えている課題やニーズに対する解決策として、ソリューションを提案する営業スタイルのことです。
ソリューション営業は、自分が担当するソリューション(製品・パッケージなど)を、様々な顧客にセールスします。
アカウント営業とは違い、担当商材を様々な顧客に販売していくよ
担当のソリューションにマッチする顧客を、いかに効率的に割り出し、リーチするかが、ソリューション営業のポイントです。
今までリレーションが無かった新しい顧客へリーチすることも多く、メールや電話に加え、製品のウェブページを作ったり展示会に参加したり、工夫を凝らして集客します。
自分が扱うソリューションによって、対象顧客はさまざまです。
例えば、勤怠管理システムなどのどの企業でも使うものであれば、世の中の全ての企業が対象顧客となります。
一方、銀行が融資する際の一連のフローを管理するソリューションなど、業界・業態に特化したソリューションの場合は、対象顧客も絞られることになります。
ソリューション営業で身に付くスキルは、下記3つです。
- ソリューション・マーケット動向に関する知識
- マーケティング能力
- 製品営業力
それぞれのスキルについて、詳しく解説していきます。
ソリューション営業は、担当ソリューションに特化した営業です。
そのため、担当ソリューションに対しては、製品仕様や特徴、マーケット動向など、知識を深く身につけることができます。
自分の得意領域ができるのは、営業としての強みになります。
担当ソリューションが、どのような業態・規模の企業にマッチするのか仮説を立て、ターゲット企業をリストアップするなど、マーケティング的な能力が養われます。
アプローチ方法も、電話やメールだけでなく、展示会への出展や自社製品のWebサイト構築、SNSマーケティング、ウェビナーの開催など、多岐にわたります。
ソリューション営業ならではだよ
ソリューション営業は、ソリューションに特化した営業のため、SIerに居ながらも、下記のような企業に近い営業スタイルとなります。
- 製品ベンダー(マイクロソフト、オラクルなど)
- SaaS企業(sansan、freeeなど)
アカウント営業に比べて、どちらかというと普遍的な営業スキルが身に付きます。
SIer企業以外でも通用する営業スキルだよ
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アカウント営業・ソリューション営業
まとめ
本記事では、SIer業界で比較されることの多い、アカウント営業とソリューション営業を紹介しました。
アカウント営業 | ソリューション営業 | |
---|---|---|
商材 | 限定されない(顧客が求めるもの何でも) | 担当ソリューションを扱う |
営業スタイル | 担当顧客からの受注を目指す | 担当ソリューションを様々な顧客に販売する |
対象顧客 | 大企業中心 | 商材により様々 |
身につくスキル | ・広範な業界知識・IT知識 ・中期的な計画力 ・スクラッチ開発を中心とした営業力 | ・ソリューション・マーケット動向に関する知識 ・マーケティング能力 ・製品営業力 |
アカウント営業とソリューション営業では、担当顧客や営業スタイルが大きく異なり、求められる役割やスキルも異なります。
これらを踏まえ、自身のキャリアを見つめ直してみるのはいかがでしょうか。
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